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マンションを選ぶ、一戸建てを選ぶ、その境目とは?(後編)

 

自分たちの家を所有するとなれば、基本的には対象はマンション(集合住宅)か一戸建てかということになるわけですが、それぞれ中古か新築かで対象は分かれます。またマンションは区分使用権を買って区分所有者になるしか方法がありませんが、一戸建ての場合は建売り物件を土地ごと買うか、所有する土地、あるいは購入した土地に好きな家を建てるかに分かれます。家を建てる場合、対象は注文住宅という言い方でくくられます。自らが建て主(施主とも言います)となって、ハウスメーカーや工務店などに依頼して、家を建てる。その際に決まった設計ではなく、自分が好きなように注文して建てることができるからです。

もっとも、この「好きなように」というのが問題の多い言い方で、別の項目で説明しますが、セミオーダーの場合はあまり好きなようには建てられないのです。

さて、一度、購入に舵を切ってみると、場所や広さなどによって、その価格は確かに千差万別なのですが、いずれも数千万円であることは概ね同じです。もちろん、地域によっては、中古物件で数百万円というものもあるでしょうし、都心の高級住宅街であれば数億円の物件も珍しくありません。ですが、一般的な相場で考えれば、数千万円というオーダーになるかと思います。何が言いたいかというと、それをたとえば30年とか35年のローンで返済していく、住宅はマンションであれ一戸建てであれ生涯で多くの人にとっては最高値の買い物であり、一生に一度の買い物であると思うのです。そうであるならば、しっかりとした知識を頭に入れて、ご自分のため、そしてご家族のために最良の選択をしていただきたいと心から思うわけです。

経済状況は安定した右肩上がりとはほど遠い状況ですが、一つだけいいのは、超低金利の時代が長く続いていますし、まだまだ続くと見込まれている点です。つまり、ローンを組むには引き続きいい時代であるわけです。当然、さまざまな価値観があっていいのですが、たとえば家賃を払い続けるのと大差ない金額で自分たち家族の家を持つことができるのであれば、ここは一つ、自分たちの「城」を持つことを考えてもいいのではないかと思うわけです。

 

モデルルーム、住宅展示場、不動産会社への訪問が「リスク大」である理由

いずれにしても、なんらかのアクションを起こす前に、こういう時代ですから、事前にできるだけの情報を集めて吟味することをお勧めします。近くにあるからと、とりあえずマンションのモデルルームや住宅展示場、あるいは不動産会社に足を運ぶと、そこで拘束されて、納得もしていないのに決めさせられてしまうことが少なくないのです。もちろん、決めるのもご自身、手付金を打つのも、契約書に判を押すのもご自身ですが、いわば業者の術中にはまってしまう可能性が高いのです。

家を持つという場合、どのような選択肢があるのか、それぞれにどのようなメリット、デメリットがあるのか、どこまでであれば、現実的に手が届くのか、ご自身やご家族のライフスタイル、趣味や将来設計、あるいは価値観に照らして、どの選択肢が自分たちにとって理想的な選択なのか。そういったことをまずしっかりと考え、わかった上で、次のアクションに出てほしいと思います。あまりにいろいろなことに、判を押してから気づく、買ってから気づく、住んでから気づくということを何が何でも避けてもらいたいと思っています。

もちろん、本当にここがいいと思えるのであれば、マンションの購入も正解です。そこに大きな不満なく住み続けるのであれば、それは賢い買い物だったということになると思います。

ただ、実は私も最初に購入した家がそうだったのですが、「とりあえず、あそこでマンションの販売をやっているから行ってみよう」という軽い気持ちは要注意です。営業担当者の調子にうまく乗せられて、その場で衝動買いをしてしまう危険性が大だからです。後で「しまった!」と思って売却しようとしても、残債を超えた金額で売れるとすれば、それは相当な幸運です。私の経験上で言えば、購入後、数年で売ろうとした場合、残債と売却額が1000万円くらいは違います。その差の1000万円を銀行が貸してくれるかというと、多分、無理でしょう。

 

「経済条件が許せば一戸建てに住みたい」が7割

この項の最後に、ご参考までに一つのデータをご紹介します。国土交通省が調査した「土地問題に関する国民の意識調査」によると、「経済的な条件などを気にしないとすれば、どんな形態の住宅に住みたいか」というアンケート調査の結果、70.6%が一戸建てで、20.6%がマンション、8.8%がその他だったそうです。つまり、条件を気にしなければ、圧倒的多数の人が一戸建てに住みたいと思っているわけです。ちなみに、その他はほぼアパートと思ってもらっていいでしょう。何が何でもアパートに住みたいという人は基本、いないわけです。賃貸の場合、条件を気にするからこそ、アパートに住んでいる人も多いということになるわけです。

これに対して、賃貸住宅での住居形態別の供給の割合は、一戸建てはわずか2.4%しかなく、マンションが68.1%と7割近くを占め、その他が29.5%という結果でした。

 

これから起こるのが、この需要と供給のミスマッチです。実際にはどのような状況になっているでしょうか。メゾネットというタイプの賃貸住居が今、増えています。これは、集合住宅の2階分を使って一つの住居にしているというものです。中に階段を設けて上下階をつなげます。見ようによっては一戸建ての住宅が、間をあけずに連なっているような形態です。物件によっては庭もありませんし、両隣は独立もしていないわけですが、たとえば上下層の音の問題はある程度解決できるわけです(もちろん、左右はこれまで通りくっついているので解決できませんが)。このメゾネットタイプのアパートだけは増えているのですが、普通のフラットタイプのマンションやアパートの建築は、すでに過剰供給でだんだん減っています。

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