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賃貸で部屋(家)を借りる? それとも自分の家を所有する?(前編)

 

今の若い人たちは所有欲というものがどんどん薄れています。自家用車もいらない。家も持たないでいい。それこそ、何ものも抱え込みたくないという人が増えています。終身雇用ももはや日本の当然の雇用形態ではありませんし、年功序列で定年までの将来が見通せるというわけでもありません。年金制度についても不安があります。そうした時代ですから、所有し続けることが確かにリスクになる可能性も増えています。特に住宅の場合はほとんどのケースで長期ローンを背負うことになるので、それは怖い。仕事がどうなるかわからない。そこに不安を抱えている人も少なくないと思います。そうした時代に賃貸を選択し続けるという若者が多くなっているのも事実です。まさに、世代によって価値観が大きく異なる、そんな時代なのだと思います。

 

気軽に住み替えられる、環境変化に対応できる……賃貸のメリット

それに加え、家を借り続けることにも、もちろんメリットはあります。たとえば、家族構成の変化など生活の変化に合わせて、気軽に住み替えることができます。また、転勤が多い人には所有は考えにくいものでしょう。あるいはまだ若く、結婚はしているけど、子どももいない。当然、今いる場所が終の棲家(ついのすみか)ではない。これから先、転職や独立もあるだろうし、海外に行くという機会もあるかもしれない――そう考える人には、賃貸が適していると言えるでしょう。

住み替えが容易という意味では、環境変化に柔軟という利点もあります。これは人により理由はさまざまでしょうが、近隣の変化、多くは隣近所の状況変化によって、必要となれば引っ越しができるというメリットがあることも事実です。

 

子どもをのびのび育てられる……持ち家のメリット

ところが、それでもなお、20代で自分たち家族の家を所有したいと思っている人の割合は、さまざまな調査を勘案すると、30数%あると聞きます。3人に1人の若者が、やはり近い将来、自分たち家族の家を所有したいと考えているわけです。それはなぜでしょうか。

独身の時はもちろん、結婚当初で、特に共働きであるならば、職住接近の賃貸物件で気軽に過ごし、仕事や余暇に時間やお金を使って人生を謳歌するというのも当然ある話です。ところが、お子さんが生まれ、その子が幼稚園に通うようになる、あるいは2人目のお子さんが生まれるとなると、その頃には持ち物も増えているでしょうし、物理的にも賃貸のアパートや社宅では多くの場合、手狭になってしまいます。そうなると考えどころなのです。

子どもは当然、家の中でも走り回ります。兄弟がいればプロレスごっこなどもするでしょう。その結果、アパートなどの場合、上下両隣から騒音の苦情が来るかもしれません。そうなると、どうしても子どもたちを言い聞かせるしかありません。でも、本音はどうでしょうか? 親ならば「もっと子どもたちを伸び伸びと育てたい」と思うはずです。だから、上下層を気にする集合住宅よりも、一戸建てを持ちたくなるというのが、どうやら所有に舵(かじ)を切る一番大きな理由のようです。そう、わが子には、できるだけ大らかに遊んで、学んで、育ってもらいたいものです。

また、同じく子どものためという理由ですが、“実家”を持たせたいという願望を持つ人は多いものです。そんなところからでしょう、私どもの会社のお客様も、土地を買って家を建てようという人たちは幼稚園くらいのお子さんがいるご家族が実際、非常に多いのです。

もちろん、賃貸の高級マンションや一軒家を探すという方法もなくはないですが、月々の支払い(家賃)が安いうちは気にならなくても、それが大きな金額になると、いくら家賃を払い続けても自分のものにならないという状況は、多くの人にとってはフラストレーションを生む要因となります。

私も一時期、一戸建ての借家に両親と一緒に二世帯で月々かなりの家賃を払って住んでいたことがあります。当初はそれでよかったのですが、やはりいつしかフラストレーションを感じ始めました。どうせそれだけのものを払うのであれば、自己所有のほうがいいのではないか。資産として残せるものにしたほうがいいのではないかと思い始める。そうした理由から家を所有したいと思う人も少なくありません。

付け加えるならば、小さくても地図に表すことができる居場所を持ちたいという欲求は今も昔も変わらず、多くの人に支持される感情ではないかと思います。

もちろん、それぞれの状況にもよります。転勤の可能性が高いとか、近い将来、実家に帰ることになる可能性があるなどの場合は別です。しかし、将来のことはわからないとはいえ、そろそろ腰を据えて人生設計をすべき時期に差し掛かると、多くの人は家の所有を検討し始めるものです。

 

一回きりの人生ですから、さまざまな選択肢を視野に入れた上で賢い選択をしていただきたいと思います。しっかりとしたライフシミュレーションを行って、自分たちにとって適正な予算というものを把握した上で、これからの自分たち家族にとって、どういう生活、そして人生設計が必要かをまずは考えてみてはいかがでしょうか。

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