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「買う」と「作る」のこれだけの違い

「自分としては少し背伸びをする買い物だった。でも、子どものためにと思い踏み出した。何らかの理由で返済に行き詰まってしまったら、売ればいいやと思っていた」

「ところが、担当の方と一緒になってどんな家にするかを考え、何十回も打ち合わせをして、何十枚も設計図を描き直してもらって、設備やインテリアを真剣に選んで、建築現場にも楽しく何度も足を運んで、大工さんの仕事ぶりも拝見して、仲良くもなったら、引き渡しのとき、まだ住んでもいないのに、この家がすでに大好きになっていて、絶対に一生守り抜こうという気持ちになっていた」

これはあるお客様の言葉です。しかし、注文住宅を建てられた多くのお客様に共通する思いのはずです。

こんな素敵な買い物は、注文住宅でしかあり得ないと思います。一生ものの住まいを手に入れるわけですが、施主様自らも設計から建築にある意味携わることで、愛着心や何ものにも代えがたい価値観を持つことができるのです。

多くの人にとっては人生で一番高い買い物です。ほとんどの人は長期のローンを組んで、それを背負います。そうした買い物には、それに見合う愛着心を持てなければ、とても勿体ないと思います。

たとえば、私たちのお客様は自分の家について語り出したら止まりません。引き渡し直前の完成見学会などもよくやらせてもらいますが、謝礼も何もないのに、その家の施主様がずっと常駐してくれるというケースが結構あるのです。そして自ら、その家の説明をしてくれます。

あるとき、それなりにご高齢のご夫婦が3連休の間ずっと常駐されていたことがありました。最後に「疲れたでしょう?」とお聞きしたら、「いや~、楽しかった~! 思う存分、自慢ができたから」と言われました。

そうです。数千万円も掛けた買い物を誰かに自慢もしたくないとしたら、それはむしろおかしいと思います。どこで家を購入、また建てる場合でも、そのくらいの満足感を味わっていただきたいと思うわけです。

建売り住宅とは、多くの場合、数百万円の差です。たとえばメーカーの既製品を主に使用した注文住宅の場合、出来上がった家には建売りと同じようなキッチンやユニットバスが入っています。同じような玄関ドアがついていて、そうした見た目ではそれほど大きくは変わらないはずです。

しかし、それまでのプロセスがまったく違います。打ち合わせをして、希望を言って、文句も言って、自分たちの生活や趣味に合わせていくというプロセスがあるからこそ、出来上がりに納得もできるし、使いやすさも伴ってくる。建売り住宅では、これは無理なのです。

もちろん、注文住宅の場合、同じように見えてもさまざまなところで個性を具現化することができます。こだわるところには思いっきりこだわるのが注文住宅の良さですから、場合によっては、それこそ建て売り住宅ではあり得ない作り、間取りに仕上がった家もまた多いものです。

そして、なぜこのドアを選んだのか、なぜこの色にしたのかを、注文住宅の場合には語れるわけです。それが愛着心を生む理由です。少し背伸びをしたけれど、それだけ気持ちの込められる建物ができたから、一生守っていきたくなるのも道理です。

建売り住宅の場合は多分、厳しくなれば売るということも簡単にできてしまうのかもしれませんし、壊すときにも割り切りがつきやすいのではないかと思います。そもそも建売り住宅の場合は、基本的に寿命も早くきます。

20年も経っていないのに、もう建て替えるという人も少なくありません。もし、購入した建売り住宅が20年で建て替えになってしまったとしたら、購入当時のその価格差は意味を失い、逆に一番高い買い物に変わってしまいます。

そうした価値観の違い、愛着心の違いが、全体から見ればそう大きくない金額差で得られるわけです。であれば、住んでから納得感の伴う生活ができて、安心感が得られるほうがいいのではないかと、思うわけです。

たとえば、大きな地震があった場合の心の持ちようも違うと思います。建て売り住宅の場合は、出来たものを買っているので、作っている過程を見ていないし、どんな人が作っているかも知らない。どんな基礎かもイメージできない。だから、おそらく家から飛び出すと思います。それが作っている過程を見ていて、大工さんとも仲良くなっていると精神衛生上の安心感も全く違うとよく聞きます。

見た目は一見同じようでも、住んでからの納得、安心感や価値観は大きく違う。それは多分買ってから、そして住んでみて初めて気づくことでしょう。でも、それでは遅いので、ある程度知識を得て、イメージした上で考えてほしいのです。

もちろん、建売り住宅やマンションを買うよりは断然、また大手ハウスメーカーのセミオーダー住宅で建てるよりも、フルオーダーの注文住宅はお客様の側でも手間暇も掛かれば、時間も取られます。設計段階から建築段階に、参加しなければ注文住宅の醍醐味もなく、意味もないからです。

それが面倒くさいという人ももちろんいるでしょう。しかし、それは今語ってきたような、実は大きな差があるということにまだ気がついていないからです。その違いは、メンテナンスの時期に気づくとか、後になって何らかの支障という現実が出てきたときに後悔するケースが多いのです。だからそういう情報を事前に入手した上で、間違いのない方向に舵を切ってほしいのです。

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