家が好き、人が好き、タマック!

menu

まず“土地”を探す、そこにある落とし穴ってどんなもの?(後編)

 

不動産会社にはさまざまな罠が仕掛けられています。前編で書きましたように、一番の罠は実質、建築条件付きの土地を売られることであり、あるいは予算バランスの崩れたとても高い土地を買わされて、肝心な建築予算が残っていないという事態に陥ることです。

あるお客様の例ですが、弊社に入店されるなり、「ここでは900万円で家が建ちますか?」と聞かれたことがあります。「どうされたのですか?」と聞き返すと、やはりすでに土地を購入済みでした。とても気に入った土地が見つかったのですが、自分の予算でその土地を購入すると、900万円しか残らない。ところが不動産会社の担当者は自信満々に、「それだけあれば家は建ちます」と断言する。その方はその言葉を信じて、その土地を購入してしまいました。特に建築条件の付いた土地ではなかったため、それから住宅会社を探し始めたのですが、「その金額では無理」と言われ続けた後に私どもの会社に飛び込んできたのです。

残念ながら、「建たないことはないですが、それは決してお客様のイメージしている家ではないです」というのが私たちのせいいっぱいの回答でした。言葉は選んだつもりです。しかし、いくら言葉を選んでも、言っている意味は同じです。簡単に言えば、「小さな家しか建たない」ということです。それでは、せっかくいい土地を手に入れたにもかかわらず、自分たちが思い描いている、幸せになる家は建てられないということです。

900万円というのは、業界の常識に照らせば、何棟も同時に建てる既製品のような、決して大きいとも豪華とも言えない建売り住宅1棟の、しかも原価なのです。不動産会社の担当者は、よく言えば、その感覚で言っていたのかもしれません。しかし現実問題、その示唆は限りなく嘘と言えるわけです。土地の売買契約で躓いてしまうと、その段階ですでに家づくりの目的は達成されなくなってしまいます。これは、そうした典型的な例です。

結局、私たちでもお役に立てず、その後、その方がどうされたかはわかりません。想像に過ぎませんが、おそらく、その土地を、また仲介手数料を払ってでも売却するしかなかったと思います。それで売れたとしても、かなり最初の予算は目減りさせてしまっていると思います。

土地を探すために不動産会社を回る。これは確かに常道です。否定すべき行為ではありません。ただ、よくよく注意が必要です。

売り建て住宅の話をしましたが、建築条件とまではうたっていなくても、土地に「参考プラン」として掲げているローコスト住宅も、結果的には同じ意味になってしまっています。ほぼすべての不動産会社が特定の住宅会社、多くの場合はローコスト系のメガビルダーと提携しています。参考プランの価格は非常に安いです。それをそれこそ参考にして、「この価格で家が建てられるならば、この土地を買える」と思わせるのです。あくまでも参考プランであって建築条件ではないので、「好きなメーカーで家を建ててください」などと言われて契約をしてしまうと大変です。実際に、その金額で望みの家を建てられる会社はまずありません。結局、その参考プランを出している会社で建てるしかなくなります。もう土地を契約してしまっているので、後戻りはできません。

ある会社のケースですが、坪当たり5万円の紹介料を不動産会社に払っていると聞きました。30坪の場合、150万円です。そもそもローコスト住宅なのに、さらにそこから150万円も不動産会社に紹介料を払うわけです。営業担当者を雇用する場合にかかる人件費を削減できているとしても、それで一体、家を建てている原価はいくらなのかと思ってしまいます。

別の項目で詳説しますが、だからこそ大事なのはライフシミュレーションなのです。その結果を踏まえて、土地の購入費用+諸経費、建築費用+諸経費、これに引っ越しの費用などを含めた総予算が、将来の未来設計図どおりの生活をしていくための資金に一切手をつけずに払っていけますか? 根拠のあるその数字をしっかりと把握していますか? ということが最初です。

その次に、安心して家づくりを任せられそうだという会社を見つけて、そこで思い描いている家がいくらで建つのか、仮見積もりでもいいので計算してもらいます。この2つの根拠を持って、それから土地探しを始めるのが正しい順番だと思います。そうすれば、結果から逆算してきているわけですから、途中で行き詰ることはないはずです。

関連記事

住まい選びの教科書