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マンションを選ぶ、一戸建てを選ぶ、その境目とは?(前編)

 

家を所有するとすれば、一般的にはマンションか一戸建てということになります。マンションと一戸建て住宅にはそれぞれの良さがあります。自分たちの城を築こうと思われた際には、まずは悩みどころがそこです。

 

マンションを選ぶ理由「交通の便がいいところに住みたい」

マンションを選ぶ理由にはどのようなものがあるでしょうか。人それぞれではありますが、一般的に言えば、「利便性を求める」という理由が第一でしょう。特に駅に直結していて雨にも濡れずに出勤できるタワーマンションの高い階層に住むというのは、今や一つのステータスかもしれません。

そこまでではないとしても、職場の近くがいいから都心に住みたい。あるいは、ある程度の時間を掛けた電車通勤は仕方ないけど、せめて駅からは近くないと困る。最寄りの駅からバスに乗るというのは勘弁してほしい。さらには買い物が便利など、生活の利便性を求めても、やはり都心がいい。

そういう場合は、家を所有したいというニーズの中でも、マンションを購入するという選択に人気が集まりそうです。「地方」「田舎」「駅から遠い閑静な場所」といった言葉とマンションはあまりつながりません。

確かに、都心など立地がいい場所の戸建てとなると、東京の場合にはそれこそ限りなく億に近い、あるいは1億円を超える金額になるでしょうし(もっとも、マンションも決して安くないでしょうが)、予算から考えると、とても狭い土地しか購入できないというケースが多いと思われます。

 

マンションを選ぶ理由「高齢になっても住みやすいフラットな空間」

東京23区内でよく見かける、狭い立地にひしめく三階建ての一戸建て住宅という選択肢もあります。一番気にかかるのが、上下に長い動線の生活は、若いうちはいいですが、少し年を取ってくると非常にきつくなるということです。食事をして寝に行くのにも階段を上がらなくてはなりません。あるいはお風呂に入るにも、何か探し物をするにも階段の上り下りが生じますから、若いうちはともかく、年を取ってくるととても大変だと思います。

その点についてはマンションに軍配が上がります。マンションの利点の一つは、生活空間がフラットだというものです。これは、お年寄りはもちろん、若い人たちにも快適な一面かもしれません。

 

マンションを選ぶ理由「防犯性が高い」

もう一つの利点は、マンションの高層階ならば、出かけるときに雨戸やシャッターがなくても窓を閉めて鍵を掛ければそれでいい。ドアも鍵一つで絶対とは言えませんが、かなり防犯になる。その点、一戸建ては何か所も戸締りをしなければならないので、出掛ける際に時間が掛かる、ついついおっくうになるという点も、比べればデメリットの一つかもしれません。

そうした点をひっくるめて利便性と言うのであれば、そして、その利便性を絶対的に重視するのであれば、それは確かに「マンションという選択」が正解だと思います。共働きで忙しい。子どももいない、あるいはまだ小さいという世帯であれば、マンションの魅力は確かに増します。隣近所との付き合いも最小限で済むでしょう。共有部分は気にしなくても管理してもらえる(その分、管理費がなかなかいい金額になりますが)ので手間が掛からない。若い層には言うことがありません。

 

狭い、騒音が気になる、間取りが固定されている……マンションのデメリット

しかし、子どもが生まれて大きくなってくると、事情が変わってきます。マンションでも上下層だから、音の問題はゼロにはなりません。だから、子どもが走り回るのに気兼ねするようになるのは賃貸のアパートなどとある程度同じです。あるいは、子ども部屋は狭くてもいいから二つは欲しくなる。お父さんの書斎スペースも欲しい。収納スペースももっとたくさん欲しい、といったさまざまなニーズが生まれてきても、マンションの場合、対応が難しいのはおわかりの通りです。

もちろん、間取りの変更は一戸建てでも容易ではありませんし、建売り住宅で希望に見事に合致する間取りや広さを兼ね備えた物件を見つけるというのは困難かもしれません。そうなると、やはり注文住宅を建てるしかないと言えるかもしれませんが、それはまた別の項目で考えたい点です。いずれにしても、私がこれまで相談を受けてきた経験から言えば、そんなところが、マンションか一戸建てかの選択を分けるラインのようです。

また一戸建てよりおしゃれでいいと思う層もあるでしょうし、一戸建ては手が出ないけど、マンションならばなんとかなりそうという意識も強いようです。しかし、これは実はそうとも言えません。便利でなければマンションの意味が薄れます。ところが便利であればあるほど、当然ながら価格は上がります。比べれば少し不便な場所の一戸建てよりも、むしろ価格が上でもおかしくありません。せっかくマンションなのだから、新築で高層のほうがいいと思うのが人情ですが、これも価格が跳ね上がる要素です。

 

「とりあえず買って、後で売ればいい」という考え方が危険な理由

最後に一つだけ注意すべき点を。

それは、まだ若いのだから、とりあえずは中古のあるいは新築のマンションを購入して、そのうちタイミングを見計らって、そのマンションを売って次に土地を購入して一戸建てを建てればいいという考えです。

右肩上がりの経済状況であれば、確かにそれも一つの方法だと思います。しかし残念ながら、庶民感覚で見た場合の長期にわたる景気の低迷は、この先も本質的には長く変わらないと見込まれています。特に東京五輪を過ぎた2020年以降は、再び景気が迷走する可能性も指摘されます。物の値段が上がりにくいというメリットもありますが、何千万円という、いわば商品がそうそう良い条件で転売できるとは考えにくいわけです。むしろその価値が大きく目減りしてしまうのが常です。

思ったよりも安くしか売れない。それもすぐには売れずに時間が掛かる。さらに言えば、場所によってはとてもじゃないけど売れないということにもなりかねないわけです。

土地もそうですが(中古の建物にはほとんど値がつかないと思ってください)、中でもマンションは、買った途端にその市場価値は半減するといわれます。なぜならば、買った翌日からすでに中古物件になるからです。

つまり、「とりあえずこれにしよう。後は将来、また考えればいい」という計画は、おおいに疑問です。その考えはぜひともやめてほしいとさえ思います。マイホームのような大きな買い物は、今の時代、人生において一発勝負だと思ってください。「気に入らなかったら買いかえればいいや」は通用しない。それだけ失敗が許されない買い物なのです。

だから、「先々のライフプランを考えた上でも、生涯このマンションでいい」と、マンションを購入するならばいいですが、「とりあえず」は本当にやめたほうがいい。おそらく、そこで終わってしまいます。もちろん、自分たちの生活を犠牲にするような背伸びをした物件に手を出してはいけませんが、そのラインをわかった上で、住宅取得という一発勝負に挑んでほしいと思います。

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