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住宅業界の裏話②現場が”施主”ではなく”ハウスメーカー”を見て仕事をする現実

 

「家」は、失敗の出来ない買い物です。注文住宅であれ、建売り住宅であれ、分譲のマンションであれ、いずれにしても、一生に一度の買い物である事に違いはありません。契約をして、建物などの引渡しを受けて、後から「しまった!」と思っても、簡単に「やり直せばいい」というわけにはいきません。工務店を営む私でさえ、昔買ってしまった分譲マンションが足かせになって、理想の一戸建てを建てるのに相当の年月を費やしてしまいました。

そうした人生を左右する買い物ですから、信頼出来る住宅会社や大工に任せるだけではなく、施主自らも最初から最後まで、彼らと一緒になって家づくりをするべきなのだと思います。もちろん、実際に現場で手を動かし家を建てていくのは職人ですが、主役はあくまでも施主ですし、施主自らが求める理想の家を建てるため、私たちはその想いや目的などを形にしていくお手伝いをしているはずなのです。

そのために私たちプロは、当然の話として、施主であるお客様の方を向いて、何を求め、どのような生活をしたいと思っているのか、どのような問題を解決したいと思っているのかを聞き、見極め、そしてそこにある課題を解決するために頭と手を動かしていく必要があります。

常に私たちの目線は施主を見ていなければならないのです。

ところが、先ほども述べたように下請け時代の私たちはそうではありませんでした。

今、私たちに家づくりを依頼しているお客様も、当時、ハウスメーカーに依頼していたお客様も、家づくりに懸ける想いは同じだったのだろうと思います。簡単にやり直しは出来ないという事情も同じだったはずです。しかし、私たちは、お客様の方を向いてはいませんでした。自分たちが食べていけるように、とにかく一つでも多くの現場がほしいとだけ考えていたのです。

本当にお恥ずかしい話ですが、最初は自分で釘を叩いて始めた仕事であったはずなのに、いつしか経営者になり、ハウスメーカー向けの営業マンになっていて、数をさばくことだけが大事だと思うようになっていました。私たちのお客様はいつしかハウスメーカーとなり、本当のお客様である施主には正直関心を持っていなかったのです。

もちろん、すべての住宅会社が同じではなかったと思います。ましてや今は景気が長らく低迷している時期ですから、ハウスメーカーのスタンスも一見変わってきています。昔よりも施主の方を向いていることは間違いないでしょうが、問題はその向き方です。地域密着の工務店などの手法も含めてさまざまに取り入れていますが、その目的は一にも二にも契約のためです。そのために、そのやり方はますます巧妙になってきているとさえ思えるのです。本当に信頼できる、人生を預けることができると思える住宅会社をしっかりと見極めて、納得のいく家づくりをしてほしいと思います。

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